2016/07/18

{歌書よりも軍書に悲し吉野山}[露臥延元陵下月]~[{蝉時雨}[鶯の谷渡り]~2016.芳野行

日本列島~広い範囲で夏の高気圧に覆われ真夏日
気象庁は九州から東海地方にかけて梅雨明けを発表
中国..東海地方も平年と比べて3日早く夏空が広がり
厳しい暑さ~熱中症には十分に要注意です!
 
[青森.弘前学院聖愛.9回6点差を“星稜作戦”で大逆転!
第98回全国高校野球選手権青森大会 ▽準々決勝弘前工8―10弘前学院聖愛{18日}
全国各地で{熱闘.甲子園}~若人の熱戦が炎昼にもめげ連日繰り広げています
[海の恩恵に感謝するとともに海洋国日本の繁栄を願う]
[海の日] (7.18)の今日 歌書よりも軍書に悲し吉野山
『太平記』に描かれた[南朝の哀史]を想い既に花の散った[吉野山]を訪ねました
歌書よりも 軍書に悲し 吉野山』   {東花坊}
芭蕉十哲の一人{各務支考}(かがみしこう)の句{東花坊}{支考(しこう)}の別号ですね
『太平記』に描かれた~[南朝の哀史]南朝の悲歌を詠まれた『新葉和歌集
太平記[軍書]に書かれた{山桜の吉野}で散った兵達が偲ばれ
戦乱{南朝の哀史}の哀れさを感じた次第です
山禽叫斷夜廖廖 限無春風恨未銷
露臥延元陵下月 滿身花影南朝夢  { } 河野鐵兜
小生が{芳野行}を決行致したもう一つの理由.盛唐の三詩人と称せられる
詩佛{王維}の言う自寛---詰まり 世事浮雲 何ぞ問うに足らん
こんな自寛 (時空を超越し 寛とした気持) 精神満喫
     致したいものだと考えた次第です
小生にとっては二年振りの[吉野山]行ですが以前は{落花深き処 南朝}を説く
吉野の古老の迫力に圧倒され長柄も梁川星巌・河野鉄兜・藤井竹外
この三人の大人達の{芳野懐古} を互いに 吟詠した時もありました
{蝉時雨}{鶯の谷渡り}が交差する{四阿}での優雅な合吟となりました
古陵松柏吼天飆 山寺尋春春寂寥 
眉雪老僧時輟帚 落花深處説南朝  { } 藤井竹外}
蔵王堂
金峯山寺--奈良県吉野町にある修験道系の仏教寺院
開基は 役小角と伝えられ.本堂(蔵王堂)(国宝)
山上ヶ岳の大峯山寺本堂山上の蔵王堂」に対し
山下の蔵王堂と呼ばれ屋根は入母屋造檜皮葺き2階建ての様に
見えるが構造的には「一重裳階(もこし)付き」です
豊臣家の寄進で再興されたもので扉金具の銘から天正19年(1592年)の建立!
高さ34メートル 奥行 幅ともに36メートル.木造建築としては
東大寺大仏殿に次ぐ規模を持つと言われ 豪壮な建築で珍しい
チャンチン材の柱が太く原木の曲がりを残した自然木に近い柱が
使われていることが特色です
内陣には巨大な厨子があり 本尊として3体の巨大な蔵王権現像(秘仏)}を
安置しています~また南北朝時代には南朝の中心地でもあり---
「金峯山」とは 単独の峰の呼称ではなく吉野山(奈良県吉野町)
その南方20数キロの大峯山系に位置する山上ヶ岳(天川村)を含む
山岳霊場を包括した名称でありました
吉野.大峯の霊場は和歌山県の高野山と熊野三山
これら霊場同士を結ぶ巡礼路と共に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」
構成要素となっています
{如意輪寺}
奈良県吉野町にある浄土宗の寺.山号は塔尾山.本尊は如意輪観音 
本堂の背後には足利尊氏により京を追われ吉野の地で崩御された
[後醍醐天皇の陵・塔尾陵]はあまりにも有名です

{淋しさに また銅鑼打つや 鹿火屋守}  原 石鼎
深吉野 森閑とした闇のなかで [鹿火屋守]淋しさに耐えかねて
銅鑼を打ち鳴らしたと想定されますね!
原石鼎師が大正時代に作句したこの名句が残されています
*{鹿火屋}--田畑を 鹿や猪に荒らされない為に夜間獣が嫌う臭いものを
燻らせた小屋のことを言ったそうです
山常庭 村山有等 取與呂布 天乃香具山 騰立
國見乎為者 國原波 煙立龍 海原波
加萬目立多都 怜憾國曽 蜻嶋 八間跡能國者
天皇登香具山望國之時御製歌
大和には 郡山あれど とりよろふ 天の香具山登り立ち 
国見をすれば 国原は 煙立つ立つ 海原は 鴎(かまめ)
立つ立つ うまし国そ蜻蛉島 大和の国は (萬葉集 第一 弐)
炎天を 槍のごとくに 涼気すぐ {飯田 蛇笏}

夏空が広がり連日厳しい暑さ~蛇笏師の名句の如く
槍のごとくに涼気すぐ--皆さんも爽快に
{夏越の祓}を迎えられた事かと思います
♪家へ帰れば~我が家の夏の味覚!~♪
恰も歓迎する様に 完熟 {トマト} 燦燦と注ぐ有難い太陽の恵みを受け 
今年も豊作です
紺碧の天空 燦燦と注ぐ太陽の恵みを受け[太陽光発電システム・太陽光 発電所]
我が家の[夏の味覚~トマト] 太陽の恵みを受け今年も豊作です!多謝! 多謝!
鳴神の 音のみ聞きし巻向の 檜原の山を
      今日見つるかも {柿本朝臣人麻呂歌集}
           『山を 詠む』 (萬葉 巻 7-1092)
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2016/07/01

{水無月の 夏越の祓する人は~千歳の命~母の分も壱つくぐる茅の輪かな~{夏越の大祓}

水無月の 夏越の祓する人は
      千歳の生命延といふなり~
【公事根源】一条兼良 有職故実書著{室町中期}

天つ菅麻を本刈り断ち 末刈り切りて
 瀬織津比売が 大海原に持ち出でなむ{祝詞}

[築き上げることは多年にわたる長く骨の折れる
仕事である.破壊することは.たった1日の
思慮のない行為で足りる]
(Sir Winston Leonard Spencer-Churchill)
 第二次大戦後,荒廃した欧州に平和を!チューリヒでの演説.
欧州合衆国の創設[欧州という家族を再生] (1946)を訴えたのが
(Sir Winston Leonard Spencer-Churchill)
当時の英国首相 [チャーチル] でしたね!

スペイン人は走った後で考え.フランス人は考えた後で走りだす
歩きながら 考えるのが~[英国人]
[欧州の 国民性]を表す喩にもなっています!~[英国人]
国民投票で拡大と深化を続けてきた[欧州連合.EU]からの
離脱を決めました!


英国.国民投票で欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)

グローバル化した世界経済~[ギリシャ危機][難民危機]
次ぐ国境を超えた金融.為替市場の動揺は固より山積している
地球温暖化・テロ対策・租税問題等々[海図なき地球規模の航海] 
一刻も速く叡智を練った対応には国際協調が不可欠ですね!
[青地に12個の金色] (表示は黄色)[12個の星]欧州連合
[欧州旗]まさに「完璧と充実」を表しています!

[誠実でなければ.人を動かすことはできない!
人を感動させるには自分が心の底から感動しなければならない]
     (Sir Winston Leonard Spencer-Churchill)
 {水無月の夏越の祓する人は
         千歳の命 延というなり}
{茅の輪} 潜ると 夏の疫病や災厄から免れこの一年を災難 無く
過ごさせて戴く{ }{夏越しの大祓} 奈良朝 宮中で始まり
悠久に各地の神社.仏閣で営まれています 
「母の分も一つくぐる茅の輪かな」  {一茶}

{茅の輪}という茅でできた大きな輪を三度くぐって身を清め
本年後半の心機一転を誓う{夏越しの大祓} 
{天つ菅麻を本刈り断ち 末刈り切りて
 瀬織津比売が大海原に持ち出でなむ[祝詞]

東大寺では {盧舎那仏}の前に 茅草で作った
直径約2m{茅の輪}が設けられ除疫病を祈る
{夏越しの祓い}に由来する法要
{東大寺 解除会}月遅れの 7月下旬に 催され
殆どの神社・仏閣では陰暦六月晦日
[夏越の大祓]が行われています

京都の多くの神社でも 六月晦日に{夏越神事}
京の夏の風物詩とされています
{水無月祓}~上賀茂神社.吉田神社.建勲神社白峯神社.地主神社.
貴船神社.城南宮.車折神社梅宮神社.御香宮神社 etc
御誕辰祭・大茅の 輪くぐり{天神さんの日}~夏本番の前
大茅の輪くぐり}の神事が菅原道真の {御誕辰祭} (625)日に
{夏越の神事}が行われています!
酷暑を無事に越すことを願い~{夏越 天神}夏本番を前に茅の輪をくぐり
{茅の輪}が{智の輪にも通じると言われていますね!
小生 例年元朝詣 春日大社の{夏越 大祓式}
20年に1度の式年造替~春日野町の春日大社
今年は降雨の為{祓戸神社}[春日大社.末社]から
延喜16(916)創建.三勅祭{葵祭.石清水祭.春日祭}
[春日祭]で勅使が着到の儀を行う{着到殿}
場所を移して行われ.花山院弘匡宮司ら神職が
二之鳥居近くの参道に設けられた直径約2m「茅の輪」を潜って
着到殿~大祓詞が奏上.麻布を破って穢れを祓う神事が催されました
{300人の参拝された方々~細かく切った紙を体に振りかけ
無事の{ } 祈っておられました
身についた罪や穢れを祓い去り~無事に夏を乗り切れる様にと
祈願する神事とされています
{往馬大社}{夏越の大祓}
小生の氏神様とも言える 往馬大社{夏越の大祓}~拝殿で神事.この半年間に
知らず知らずに犯した罪や穢れを~渡された人形にうつしておられます
{天つ菅麻を本刈り断ち 末刈り切りて瀬織津比売が大海原に持ち出でなむ
{祝詞}祓戸社でお祓いと祝詞奏上~晒を張り切り裂く
往馬大社の{茅の輪くぐり} 高座の横で行われ宮司を先頭に
《水無月の 夏越の祓する人は千年の命 延というなり~》
茅の輪をくぐり乍暑い夏を無事に乗り越えられる様と参拝の
皆さんが祈願されています
悪霊邪神.稲の害虫を払い 五穀豊穣を祈祷!
布留 石上神宮 {神剣渡御祭(でんでん祭)
小生の故郷 布留 石上神宮では{神剣渡御祭}
{でんでん}と鳴る太鼓の音に合わせて末社の神田神社へ渡る{でんでん祭}
例祭の後に{御田祭り}~お田植神事が行われ.夕刻には布留.本社にて
{夏越の祓}が行われます
神剣を先頭に~古歌を朗詠し{茅の輪くぐり}参列者が一列になって
行われ{茅の輪}{御田祭り}
{早苗}は参列者が少しずつ持ち帰り~暑い夏の無事・御祓いで
災難無く過ごせるように御祈願されています
柿本人麻呂歌塚・和邇下神社~{夏越の大祓}
当時の官道~{上ツ道}と龍田から伊賀へと延びる
治道 横田道要衝に鎮座する~和邇下神社

和邇下神社の {祇園まつり} 当日に境内では
{茅の輪くぐり}が催され~また 以前は
[櫟本小学校]の校庭では{円筒埴輪の燈火会}
同時開催.学校の屋上から{燈火会}を観賞!
打ち上げ花火も有り~多くの露店が出る
祇園まつりで賑わう参道に家族と伴に加わり
楽しいひと時を過ごした時も有ります
大和 大神神社では{大祓みわの茅の輪神事}
拝殿前の斎庭には三つの茅の輪で作られた{みわの 茅の輪}が設置され
{大祓みわの茅の輪神事}が祈祷殿前斎庭にて祭典!
神職が人形に息を吹きかけ 麻布を破ったり穢れと罪を祓い
落とされていました.各地から参拝者に来られた500人の方々が
直径約3mの茅の輪を8の字に潜り無病息災を祈っておられました
拝殿前には大神神社の三ツ鳥居に因み杉、松、榊の三霊木
其々の輪の上に掲げ{三輪の茅の輪}が5日まで設置!

遣唐使が旅立つ前には参拝していたと言われる大和神社
{夏越の大祓式・茅の輪くぐり}
大和天川村の天河大辨財天社で{大祓式}

橿原神宮では神楽祈祷{夏越祈祷神楽}{大祓}
大祓式以降の穢れを祓い清める神事!
この後半年間の無病息災を願う祈祷が行なわれています!
《夏越の祓》迎える{稲穂が実って来る月}{穂含月}

思ふ事 皆つきぬとて 麻の葉を
  切りに切りて 祓えつるかな {和泉 式部}

炎天を 槍のごとくに 涼気すぐ {飯田 蛇笏}

連日の様な{熱い夏}~蛇笏師の名句の如く
「槍のごとくに涼気すぐ」--皆さんも爽快に
{夏越の祓}を迎えられた事かと思います
左大辨葛城王等賜姓橘氏之時御製歌一首
橘者 實左倍花左倍 其葉左倍
     枝尓霜雖降 益常葉之樹
        萬葉巻6-1009番 聖武天皇

葡萄美酒夜光杯 欲飲琵琶馬上催
   酔臥沙場君莫笑 古来征戦幾人回{ }

{葡萄の美酒夜光の杯 飲まんと欲すれば
  琵琶馬上に催す 酔うて沙上に臥すも
   君笑うことなかれ 古来征戦幾か回る}
山麓の我が家へ帰ってから暫くは {こころ.からだ}
[日々是好日]ポジティブな闘病生活の拙宅の床の間掲げたのが
{葡萄の美酒 夜光の杯飲まんと~}~盛唐の詩人 {王翰}
{西郷隆盛}「山行」~日夜 朗詠を楽しんでいました
「山 行」 西郷隆盛
駆犬衝雲独自攀 犬を駆り雲を衝いて独り自ら攀じ
豪然長嘯断峰間 豪然として長嘯す断峰の間
請看世上人心険 請う看よ世上人心の険なるを
渉歴艱於山路艱 渉歴するは山路の艱きよりも艱
水無月の 夏越の祓する人は
      千歳の生命延といふなり~
【公事根源】一条兼良 有職故実書著{室町中期}

[自分が涙を流さなければ人の涙を誘うことはできない
     自分が信じなければ人を信じさせることはできない] 
        (Sir Winston Leonard Spencer-Churchill) 
{天つ菅麻を本刈り断ち 末刈り切りて瀬織津比売が大海原に持ち出でなむ]
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http://blogs.yahoo.co.jp/gogogen2005