『菊の花 若ゆばかりに袖ふれて
花のあるじに 千代はゆづらむ』
(紫式部)『紫式部集』
『秋きぬと 目にはさやかに 見えねども
風の音にぞ驚かれぬる』(藤原敏行)(古今和歌集)
『重陽の日は三輪山の上にあり』 (大峯あきら)
『重陽・重九』(9・9)は 五節句の一とされ陰暦 九月九日~古来
中国では 奇数は
縁起の良い陽の数とされていますが.一番大きな陽の数である 九が重なる9月9日
菊の香りを移した菊酒を飲み邪気を払い長命を願うと言われていますね!
『重陽』として{節句}の 一つとされてきました
『九月十日即事』 (李白)
[九日龍山飲](九日 竜山に飲む)
九日龍山飲 九日
竜山に飲めば 黄花笑逐臣 黄花
逐臣を笑う 酔看風落帽
酔いては看る
風の帽を落すを 舞愛月留人 舞いては愛す
月の人を留むるを
(9月9日)は(キューキュー)の 語呂合わせから (救急医療)の大切さを理解する
(救急の日)~厚生省(旧厚生労働省)が1982年に制定! 救急業務や救急医療.理解と
認識を深め 救急医療関係者の士気を高める日でも有ります!
古代中国では 菊は {翁草}{千代見草}{齢草}{邪気を祓い長生きする効能}があるとされ
この日 中国では{茱萸--グミの実}を袋に入れて(登高)という丘に登り~菊の香りを
移した菊酒を飲み邪気を払い長命を願うという風習!
『九月十日即事』 (李白)
昨日登高罷 昨日
登高罷み 今朝更挙觴 今朝
更に 觴を挙ぐ
菊花何太苦 菊花
何ぞ太だ苦しき 遭此両重陽 此の両重陽に遭う
『菊の酒人の心をくみて酌』(星野立子)
我が国では(奈良時代)から 宮中や寺院で菊を観賞する宴が行われ
平安時代には
(重陽の節会)菊の被綿~重陽の節句の前夜にまだ蕾の菊の花に綿をかぶせて
菊の香りと夜露をしみこませる宮中の女官達の様子等が(枕草子.紫式部日記)に
綴られていますね!
(江戸時代)には (武家の祝日)になったそうで旧暦の9月9日~現在では10月になりますが
収穫の秋~農山村等では{栗の節句}とも呼ばれ栗御飯などで{節句}を祝っていますね!
京都.嵐山中腹の虚空蔵法輪寺.重陽の日 菊酒を飲み
厄祓い 綿をのせた菊の花から
降りた露で体を拭うと(長寿)になるとされる「菊の被綿」が催されています!
上賀茂神社では 無病息災を祈る{重陽の節会}
現在でも行われ~境内細殿前の土俵の左右から弓矢を手にした二人.刀弥が横とび
しながら2つの立砂の前へと現れ「カーカーカー」「コーコーコー」
烏の鳴きまねをした後子供が相撲を行う{烏相撲}
{菊の被綿}等の神事が催されていますね!
{正月七日} 人日.七草粥を食べ邪気を祓う {七草の節句}
{三月三日} 上巳の節句
雛祭り {桃の節句} {草餅の節句}
{五月五日} 菖蒲の節句.菖蒲の語が{尚武}幟や兜飾りを行う
男子の節句{端午の節句}
{七月七日} 牽牛星.織女星の星祭り伝説{七夕の節供.笹の節句}
{九月九日} 重陽{菊の節句}陽数の極である九~重なることから目出度い日
{七草粥}から
邪気を祓い長寿を祈る{観菊}我が国では四季折々の趣のある
(節句)が連綿と伝承されて来ましたね!
《二百十日》~中国大陸.朝鮮半島等の暦には見当ら無いが広範囲に浸食する
大雨が繰り返し襲う暴風.台風.津波.地震等々 自然の猛威から逃避出来ない
《日本列島》~古来 この大自然を先人達が黙々と大地を耕しまた大海の
恵みを受け乍ら育んで来ました
折口信夫.釈迢空先生を始め柳田国男先生 南方熊楠等 大人達が悠久に人を育んで
来た豊かな自然.大地を自ら歩き~語り乍ら多くの書物に綴られていますね!
{自然を克服する西洋文明}とは異なった(日本列島の大自然と共存する《二百十日》
古来の 叡智だ!とも 思慮されますね!
『八大竜王 雨 やめたまえ~』(第三代将軍 源実朝)
『ときにより 過ぐれば 民の嘆きなり
八大竜王 雨 やめたまえ』
若き鎌倉幕府
第三代将軍 源実朝~八大竜王に必死に祈り
懇願している
様子が謳われて過ぐれば~民の嘆きとなる~なんとか
雨を止ませて欲しいと
八大竜王に祈っていますね!
竜王への祈祷は同時に(稲作国 日本にとって水は命の綱)古来 雨乞い.
雨を願う祈願は 全国各地に残っていますね!
{例} 新潟では~弥彦山の竜王と
国上山の竜と相談されて
雨さめたのむ
徳島では~雨たまわれ竜王いのう
天は雨ではないかいな~
大雨降らせろ
竜神なあれ{千葉}
そして二百十日が過ぎれば(彼岸)~中秋の名月{2019
9.13}⇒我が家の庭の虫の音も
心成しか次第に強くなって来た様です
『菊の酒 あたゝめくれし こゝろざし』 (星野立子)
『菊の花 若ゆばかりに袖ふれて
花のあるじに 千代はゆづらむ』(紫式部)『紫式部集』
『秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花』 (山上憶良)
(萬葉集 巻8の1537)
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