2020/05/15

『若葉して 御目の雫 拭ぐはばや』~(芭蕉は鑑真像の 盲いた双の眼に それと露わならぬ悲しみを~果てし無い人類の『感染症』との闘い~鑑真和上の苦難の旅路(PART Ⅱ)


 

『若葉して 
   御目の雫 
     拭ぐはばや』
            (芭 蕉)



人類が一度は克服したかに見えた感染症でしたが~
新型コロナウイルスCOVID-19の感染が拡大し世界の感染者は400万人超と言われ~~
果てし無い人類の『感染症』との闘いが続きロックダウン(都市封鎖)を緩和による感染の
「第二波」を招くのではないかとの懸念!
パンデミック(世界的流行)(COVID-19)新型コロナウイルスとの格闘に国際協調が
不可欠と言えますね!

    京都大学iPS細胞研究所所長)山中伸弥教授は『新型コロナウイルスへの
    対策は長いマラソン!
都市部で市中感染が広がり全力疾走に近い努力が必要でその後の持久走への
準備も大切です.
感染が拡大していない地域も先手の対策が重要私たちが一致団結して正しい
行動を 粘り強く続ければウイルスの勢いが弱まり共存が可能!
自分を周囲の大切な人を~そして社会を守りましょう』
 PCR検査に加えて抗体検査が重要です.実際にどの層の人が.どれくらいの割合で
抗体を持っているのかがわかれば(ファクターX)見えてくる可能性もあります』
山中伸弥教授が言われる.日本人が持つ新型ウイルスに負けない(ファクターX)
期待すること切です!
『若葉して 御目の雫  拭ぐはばや』
                   唐招提寺 開山堂で鑑真像を拝み詠う  芭 蕉

鑑真和上が 天平宝字七年(763) 56日 結跏趺坐し西に面し七十六年間の 生涯を
終えらましたが 弟子 忍基は講堂の棟や梁のくじける夢を見て鑑真和上の遷化
近いこと予感!   80㎝ 脱活乾漆造り穏やかな微笑--眼許から顎にかけて 
感じられる 強い意志!そんな和上の像を刻んだと言われていますね!
筋骨逞しい体膈---拝する人々の 心に迫り静まり返っている盲いた双つの眼
                                                                                  (鑑真和上坐像)
鑑真和上が亡くなってから九百年後.元禄元年四月.芭蕉は唐招提寺 鐘楼の
北側の鑑真の往坊跡に建てられていた開山堂で鑑真像を拝んで~
『若葉して 御目の雫 拭ぐはばや』と詠った作品.芭蕉は鑑真像の盲いた双の眼に
露わならぬ悲しみ涙を感じとり----辺りは若葉で埋まっていて その若葉で御眼の
涙をぬぐって差し上げたいそんな気持ちが伝わってきますね!
盲いた眼を持って日本に渡って来られた鑑真像を拝し時. 静かに閉じられている
双の眼に打たれました!
『天平の甍』の著者井上靖は『おん目の雫』題する著述で芭蕉の句について
この様に書いています~「芭蕉は鑑真像の 盲いた双の眼に それと露わならぬ
悲しみを 涙を感じ取ったのである」
天平8年前後は 鑑真にとっては最も苦しい時期であった その苦しい時期の
ことを思い出す度に必ず榮叡と祥彦の二人は鑑真の瞼の上に浮かんできたに
違いないと思う そして その都度 鑑真の盲いた眼は 何ものでも拭うことが
できぬ涙であったことであろうと思う---芭蕉はその涙を 若葉でぬぐって
差し上げたいと思うたのである}(井上靖)
           『水楢の柔き嫩葉(わかば)は み眼にして
                          花よりもなほや白う匂はむ』
            『盲ひてなお 浄慧の人は明らけし
                                     面もちしろく春を寂びてぞ』 若山牧水 
鑑真和上の故郷.江蘇省揚州市の名花「瓊花」
ガクアジサイに似た白い可憐な花を咲かせる初夏を彩る(瓊花)が見頃ですが~
新型コロナウイルスの感染拡大防止で拝観停止中ですね
「新型コロナの被害と鑑真和上の苦難の旅路重なる.来年は和上の気持ちを
思い乍ら(瓊花)愛でに来てください」(石田太一副執事長)
(瓊花)は種子で殖えない為.接ぎ木で増やし隋の煬帝がこの花を愛し門外不出に
したとも言われていますね!
『観音の 千手の中に筆もたすみ手一つありき涙す我は』 (白秋)

『観世音像 千手の指のことごとに 眼坐しにき清みかがやかに』 (白秋)
                    『大寺の まろき柱の 月かげを
                                      土に踏みつつ ものをこそ思へ』(会津 八一) 
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