2021/05/20

『血を吸わせるのも修行のうち』「ハート形の宝扇・唐招提寺(うちわまき)~『若葉して 御目の雫 拭ぐはばや』 新型コロナの被害と鑑真和上の苦難の旅路(PARTⅠ)

 

『大寺の まろき柱の 月かげを

     土に踏みつつ ものをこそ思へ 』(会津 八一)  

『自分の血を 蚊に与えるのも仏の道である』 

鎌倉時代に活躍された「唐招提寺中興の祖」大悲菩薩覚盛上人.修行中に蚊に刺されている

御姿を見た弟子が蚊を叩き潰そうとした際(自分の血を 蚊に与えるのも~)と言われた

厳格に仏道に邁進する上人が亡くなった後 

蚊を叩かずとも(扇子)で払ってあげよう! (ハート形のうちわ)「法華寺」の尼僧が

覚盛上人の功績を偲びながらお供えした中興忌梵網会法要の後の「うちわまき」行事

(うちわ)は災厄から免れる(魔除けのうちわ)唐招提寺の金堂.講堂の東側の「鼓楼」上から

「うちわまき」~うちわが撒かれるのが例年519日の15時からとなっていますね! 

サンスクリット語の真言が書かれた ハート形の(宝扇)うちわを赤い和紙で1本ずつ丁寧に

縁取り「うちわには虫よけ.厄よけの意味があり感染症を早く取りのぞいて

ほしいという願いを込めた伝統を絶やさないように法要を続けます」

[覚盛さんが大切にした不殺生の精神をうちわから感じて頂きたいです(石田太一執事長)

唐招提寺の石田太一執事長は  「例年は5千本を作るが今年は

3千~4千本に減らした」 

境内にある2階建ての(国宝.鼓楼)の上から僧侶が鐘の合図に合わせ(うちわ)を 例年なら

2.3本ずつ500本!⇒厄よけを願う多くの参拝に来られた人達は歓声を上げながら舞う

ハート形のうちわに競い合って手を伸ばしておられましたね!

 令和3年度(2021)の 中興忌梵網会(うちわまき)  唐招提寺当山中興の祖である“覚盛上人”の

遺徳を偲ぶ為.上人の御命日・519日に講堂.鼓楼にて新型コロナウィルスの感染拡大

現状に鑑み実施内容を一部変更.宝扇約50本が巻かれたました

宝扇には病魔退散や魔よけのご利益があり鼓楼下で構える 崇敬者約20人が

手を伸ばしていました 

「長い歴史の中では こんな事もある .試行錯誤し乍ら伝統の行事の 思いだけは 

伝えていきたい」  昨年に続き 規模の縮小を.岡本長老は語っています

「ハート形のうちわには千手観音と烏枢沙摩明王の真言が書かれている. 烏枢沙摩明王は

不浄なものを清める仏と言われている. 近くの農家の人たちが田植えの前このうちわで

あおいで害虫がつかない様願った~お寺の行事には長い伝統のなかで蓄積され人から人へ

伝わった思いがある.大切に次の代に引き継いでいきたい」 

『大寺の まろき柱の 月かげを

                土に踏みつつ ものをこそ思へ』 (会津八一)  

律宗.総本山.唐招提寺で唯一現存する奈良時代8世紀後半に建立された(寄棟造の金堂.建築)

唐招提寺南大門から境内に入ると正面に堂々たる(エンタシス柱)が印象的で独特の厳かな

(金堂)     唐招提金堂の 近く西方には『會津八一.歌碑』 

『おほてらの  まろき はしらの  つきかげを

                つちに ふみつつ  ものをこそ おもへ』 

會津八一『おほてらの まろきはしら』(法隆寺.西院伽藍)で~(唐招提寺)では

『つちに ふみつつ ものをこそ おもへ』と詠み据えたと

振り返っている  (會津八一全集.鹿鳴集) 

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