2015/03/15

天にも焦げよ{炎}~{南無観世音} 1264回 東大寺二月堂{修二会} 

走る 火影 揺れる あふれる涙 燃える
      燃える 燃える 松明 「修二会」

春寒の弥生 三月春まだき
      君の肩にはらり 良弁椿
ここは東大寺 足早にゆく人垣の
      誰となく独白く 南無観世音
            折から 名残り 雪
君の手は既に 凍り尽くして居り
     その心 ゆらり 他所にあり
もはや二月堂 天も焦げよと松明の
炎見上げつつ何故君は泣く 雪のように
   火の粉が降る~~♪ {修二会}
          {さだまさし 作詞・作曲}
 東大寺.法華堂{三月堂}「北門」芭蕉の句碑

二月堂へ往く前に 広い東大寺境内で最初に訪ねたのが
大仏殿の創建より古く天平四年(733) 良弁僧正創建
{金鐘寺}一堂でもある 法華堂{三月堂}でした

水取りや 氷の僧の 沓の音    {芭蕉}    

東大寺・三月堂「龍王之瀧」の 前

水取りや 氷の僧の 沓の音  《 水取りや 籠の僧の 沓の音 》

天下安泰.万民幸福~1261回目を迎えた伝統行事が
粛々と行われている~ニ月堂 {修二会}の 御隣りの{法華堂}
{北門}にある 芭蕉の句碑

水取りや 籠の僧の 沓の音

ところが 松尾芭蕉が 貞享元年 伊勢・伊賀・大和・近江を巡った
野ざらし紀行」の稿本・写本の中でも 芭蕉 直筆とされている
『天理本』には [籠の僧]ではなく [氷の僧]なっているそうです

 二月堂に籠りて (前書)
水取りや 氷の僧の 沓の音

{天理大学付属 天理図書館は 小生の地元でもあり 高校生時代から
受験勉強と称して利用させて頂いていましたが残念乍ら未だ
芭蕉 直筆とされている『天理本』原本を拝読させて頂いていません
俳壇の大御所()「氷の僧だから名句!籠の僧とすれば駄句に過ぎない 
{ダーン! ダーン!二月堂 堂内では上堂した練行衆
沓を鳴らし本尊に{参りました}と告げます
{ダン!ダン!ダン!}{ダダダダッ!}「差懸」(木製の履物)
沓の音は更に激しく二月堂.舞台の下まで響き渡り練行衆は
内陣に駆け入って行きますね!

佳景寂寞として心すみゆくのみおぼゆ』 推敲の名手.俳聖 芭蕉

{奥の細道} 山寺 {立石寺~蝉の句}推敲例として 有名ですが~  
山寺や石にしみつく蝉の声    {曾良書留}
淋しさの岩にしみ込せみの声   {木がらし}
さびしさや岩にしみ込蝉のこゑ {初蝉.泊船集}
 
閑さや岩にしみ入蝉の声

{閑さや}{岩にしみ入}~推敲にて~奥の細道本文には
佳景寂寞として心すみゆくのみおぼゆと言ったのでしょうね!

平泉中尊寺に詣でた時の{光堂(金色堂)}
{五月雨の降のこしてや光堂}

蛍火の昼は消えつつ柱かな
五月雨や年ゝ降りも五百たび
五月雨の降のこしてや光堂

{随行日記}--曾良によれば日は{天気朗}
芭蕉は{五月雨}を降らし{鮮やかな光堂}となり
余にも名句として残っているのでしょうね!

{若狭⇒東大寺二月堂{若狭井}{お水送り}

若狭(小浜)~下根来八幡宮.山八神事!
神宮寺境内.弓打神事.達陀~松明行列
鵜の瀬大護摩~{送水}神事が粛々と
催行された{お香水}は若狭鵜の瀬から
10日経て大和.東大寺二月堂「若狭井」に
届くとされています
{若狭国.遠敷明神.遠敷河を領して魚を取りて遅参・二月堂のほとりに清水を
涌き出ださせ観音さまに奉上!いみじく たぐひなき 甘泉わき出たり石をたたみて
閼伽井とす}~{二月堂縁起}
魚を採っていて参集に遅れた遠敷明神!
{二月堂縁起~}お水取り}の由来等が記されていますね! 
天平勝宝 {752}~連綿と途切れず幾多の辛酸を潜り抜け
1250年以上に渡り連綿と続けられている1264回目
東大寺二月堂 {修二会}「十一面悔過 」
 厳格な清浄さで 慰霊と災害.復興への 祈願.二月堂本尊の十一面観音
人々の罪を 懺悔{五穀豊穣}{万民快楽}---幸せを祈る
東大寺ニ月堂{修二会} 今年は1264回目を迎えました 
{達陀の行} (312日~14) 炎の力で邪悪を払い 燃え盛る
松明を持った火天役が内陣に 水天役と向き合い飛び跳ねる仕草を
繰り返した後 松明が礼堂に投げ出されました! 
{籠松明} 11本童子により 二月堂.舞台の欄干から松明を空に向けて 突き出し回転!
火の粉を散らしました この御堂の舞台から打ち振られる炎を各地から詰めかけた
23千人以上の方々が見つめたと言われています

二月堂下の 閼伽井屋にある井戸から聖水の「香水」をくむ {お水取り}
本尊の十一面観音に供えられます
春寒の弥生三月十五日未明 大和路の春を呼ぶ 煌めく{} 古都の祭典は
世の平穏.祈りを捧げ315日未明に満行 を迎えます! 
火の行~{達陀}で 練行衆が使った被ると
呪力が宿るとされている金襴の帽子 {達陀帽}
早朝の二月堂南側広場では古式床しい装束の二月堂
朝参講の方々に我が子の健やかな成長を願う御家族連れが
  {達陀帽}を被せて戴いていましたね! 

神に近い子~{中灯 童子 敏 丸}

東大寺 二月堂 大欄干》 聖域に入る
ことを許された 神に近い子《童子》
{中灯 童子 敏丸} として大松明を持つ
{童子}を務められたのが 生駒の
小生宅の近所にお住まいの 門谷敏也さんです
今年は御事情により御休場となりましたが-{中灯さん~行きまぁ~すぅ
あの元気な声が聞かれず~東大寺二月堂大欄干で乱舞した勇壮な炎
{籠松明}を持たれた 門谷敏也さん
今年は御家庭の御事情で雄姿が観られないのが~残念な限りです 
{火の行{とも言われる{修二会}で使われる松明は{二月堂.修二会}
裏で支える{童子}よって作成されています
童子は 聖域に入ることを許された神に近い子の資格を持った人達であり
《練行衆》に 其々 一人ずつ付かれ門谷さんは 二月堂・大宿所で
大松明の作成や 食事等 練行衆の御世話で 昼夜を問わず多忙を
極められていました 
門谷敏也さん宅の門前に{今年も}ある-二月堂大欄干--勇壮な炎が
闇夜に乱舞した籠松明」 《無病息災》を齎して頂く大松明(8M)
重さは 80キロと言われる~満行を迎えた『籠松明』を身近に眺め
手に触れる事が出来.あの日の感動が蘇えりました
本当に有難う御座います

東大寺 二月堂の舞台に突き出された長さが約8メートル 
重さは6070キロ~乱舞する籠松明大和路の春を呼ぶ{}

連綿と途切れず続く伝統行事{お水取り}特別陳列
東大寺~二月堂.修二会. 特別陳列{お水取り}奈良国立博物館で
東大寺.仏教美術協会の主催で開催されています(3.15) 
練行衆11人.が本尊・十一面観音の前で罪を悔い改め世界の人々の幸せや
五穀豊穣を祈る伝統行事で使われた法具.所縁の絵巻.国重要文化財{16件}
62件が特別陳列されています
 {東大寺.大仏殿}~東日本大震災の慰霊法要!
東日本大震災. 地震が発生した午後2時46分.東大寺の大鐘が
突き鳴らされました!大仏殿では 筒井寛昭別当らが読経~犠牲者の
鎮魂・被災地の早期復興を祈願されていました (3月11日) 

ちりぬれば 匂ひばかりを 梅の花
                    ありとや袖に 春風の吹く
千利 連八 尓保 比者可 越 里 二 能      藤原 有家(新古今)

これよりは恋や事業や水温む  高浜虚子
大正5.高商句会で虚子が東京高等商業の卒業生を送る俳句
{水温む}~そんな季語が相応しい季節を迎えますね! 
「お水取りが終わるまでは暖かくならない」 
LINK  Lucky PAL (PAL is My Family)