2017/05/15

{開山堂で鑑真像を拝み詠う( 芭 蕉)『若葉して 御目の雫 拭ぐはばや』~ [快慶 日本人を魅了した仏のかたち~[榊莫山と紫舟のシンフォニー(交響)

[皐月}~薫風香り公園に可愛い子鹿も戯れる大和路!
[阿行像} 宇宙の始まり{吽行像} 宇宙の終わりを表す
東大寺.南大門{金剛力士像.仁王像}[阿形] [吽形]
圧倒され乍 ら先ず急いだのは~{日本人を 魅了した仏}
登大路の国立博物館[快慶 日本人を魅了した仏のかたち] 
[快慶]の代表的な作品を一堂に集め拝見出来る[特別展]
特別展 「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」  
鎌倉彫刻様式の完成に重要な役割を果たし[運慶]
並び称される[快慶]
後白河院主導[重源]により進められた{東大寺再興造像}
後白河院.追善建久3(1192)の造像に抜擢され[康慶]
弟子のなかでも[快慶]は特殊な立場とされていますね!
 [巧匠アン(梵字)阿弥陀仏]~快慶は単なる仏師でなく
阿弥陀信仰者として造仏に臨み {阿弥陀如来立像}
{安阿弥様}と称され来迎.形阿弥陀の一典型とされ
快慶作品の成立と密接に関わる絵画ですね!
高僧たちとの交渉を伝える史料をあわせて展示!
多彩な[快慶作品の魅力]を堪能!~現代を生きる
我々の共感を呼び起こし仏の規範とされつづける
快慶芸術の本質について考える機会に~~
博物館.講堂では講演も開催されています
513日(土)「快慶の生涯と「如法」の仏像」
   山口 隆介さん(学芸部主任研究員)
527日(土)「快慶作品に関する二、三の問題」
   岩田 茂樹さん(学芸部上席研究員)
書の源流企画展 [榊莫山と紫舟のシンフォニー(交響)]
博物館の[快慶 日本人を魅了した仏のかたち]に魅了され 
必ず訪ねるのが[奈良県立美術館]です
[莫山先生][紫舟]~御両人は大和に所縁りが深いく
独創的.書家の[書の源流企画展] シンフォニー(交響)
王羲之~明・清へ至る洗練された書の規範に従うのでは
無く古い木簡.石碑の素朴で力強い書風!漢詩文から
現代詩や自作の文へ対象を移し独自性.創造性を重視!
大和の仏像.自然との交流を創作へ結び付けつけた[榊莫山]
.漆工.陶芸.伝統工芸の技術を習得したのが奈良[紫舟]
書の彫刻と光.影との融合.書と絵画との融合.デジタル技術
多様で独創的な作品が展示されていますね!
[榊莫山と紫舟のシンフォニー(交響)]~書家が 研鑽を
積んだ[奈良]への原点回帰.今日までの軌跡を集めた
素晴らしい書の源流企画展と言えますね!
県立美術館では平群町による連携展示~信貴山の裾野
「へぐり」自然と歴史ロマンへのいざない-
個性あふれる魅力的な歴史.文化.自然を育くむ
「へぐりの里」が 紹介されています
[興福寺国宝特別公開2017阿修羅~天平乾漆群像展]
世界遺産.興福寺の国宝館の耐震補強工事中.収蔵品を
仮講堂に阿弥陀如来像[重文.鎌倉時代]阿修羅像を含む
八部衆像.十大弟子像[国宝.奈良時代]金剛力士像等々
国宝館の彫刻と相まって開扉させていますね!
[興福寺.西金堂]は天平6(734) 光明皇后が亡母橘三千代の
冥福を願ってお建てになったものですが~天平期の
西金堂内陣を再現されています
仮講堂に移しての[阿修羅~天平乾漆群像展]618日迄
阿修羅像.十大弟子像等を拝像する絶好の機会です
会津八一『阿修羅像』[山光集]に詠んでいます

ゆくりなき もの の おもひ に かかげたる
    うで さへ そら に わすれ たつ らし

けふ も また いくたり たちて なげき けむ
あじゆら が まゆ の あさき ひかげ に (山光集)

ちりぬれば 匂ひばかりを 梅の花
             ありとや袖に 春風の吹く
 千利 連八 尓保 比者可
               藤原 有家(新古今)
『若葉して 御目の雫 拭ぐはばや』
唐招提寺 開山堂で鑑真像を拝み詠う 
鑑真和上.天平宝字七年(763)56日結跏趺坐し
西に面し七十六年間の生涯を終えらましたが
弟子 忍基は講堂の棟や梁のくじける夢を見て
鑑真和上の遷化近いこと予感!
80 脱活乾漆造り穏やかな微笑--眼許から
顎にかけて 感じられる 強い意志!
そんな和上の像を刻んだと言われていますね!
筋骨逞しい体膈---拝する人々の 心に迫り
静まり返っている盲いた双つの眼{鑑真和上坐像}
鑑真和上が亡くなってから九百年後---元禄元年四月
芭蕉は唐招提寺 鐘楼の北側の鑑真の往坊跡に
建てられていた開山堂で鑑真像を拝んで
『若葉して 御目の雫 拭ぐはばや』と詠った作品
芭蕉は鑑真像の盲いた双の眼に露わならぬ悲しみ
涙を感じとり----辺りは若葉で埋まっていて
その若葉で御眼の涙をぬぐって差し上げたい
そんな気持ちが伝わってきますね!
盲いた眼を持って日本に渡って来られた{鑑真像}を拝し
静かに閉じられている双の眼に打たれますね!
天平の甍』の著者 井上靖は『おん目の雫』と
題する著述で芭蕉の句についてこの様に書いています
「芭蕉は鑑真像の 盲いた双の眼に それと露わならぬ
悲しみを 涙を感じ取ったのである」
{天平8年前後は 鑑真にとっては最も苦しい時期で
あった その苦しい時期のことを思い出す度に必ず
榮叡と祥彦の二人は鑑真の瞼の上に浮かんできたに
違いないと思う そして その都度 鑑真の盲いた
眼は 何ものでも拭うことができぬ涙であった
ことであろうと思う---芭蕉はその涙を 若葉で
ぬぐって差し上げたいと思うたのである}(井上靖)
「水楢の柔き嫩葉(わかば)はみ眼にして
              花よりもなほや白う匂はむ」 
 「盲ひてなお浄慧の人は明らけし
      面もちしろく春を寂びてぞ」{若山牧水} 
{梵網会}~唐招提寺 うちわまき.舞楽{振鉾}{陪臚}{納曽利}

鎌倉時代~唐招提寺 中興の祖~大悲菩薩 覚盛上人
[不殺生を守りなさい.自分の血を与えるのも菩薩行]
蚊も殺さないほど 不殺生を貫いた覚盛上人を讃えて
大和.法華寺の尼僧が[せめて蚊を払えるように] [宝扇]
うちわを供えたのが始まりとされますね!
{ハート形の宝扇}~「うちわまき」五月十九日に
{梵網会}が行われます!
[虫も殺さなかった上人を思い出し心を穏やかにして
いただけたら]唐招提寺の石田太一.副執事長[]
[国宝.鼓楼の上から僧侶4人が鐘の合図に合わせ
{うちわ}2.3本ずつ計400本!厄よけを願う多くの
参拝に来られた人達は歓声を上げ乍ら舞うハート形の
うちわに競い合って手を伸ばされる[宝扇]
大悲菩薩覚盛上人.命日519.中興忌梵網会法要
前庭では舞楽奉納南都晃耀会により舞楽{振鉾}{陪臚}
{納曽利}奉納が催され~[うちわまき]が実施されます

観音の千手の中に筆もたす
     み手一つありき涙す我は {白秋}

観世音像千手の指のことごとに
    眼坐しにき清みかがやかに {白秋}

中興忌梵網会 法要~前庭では 舞楽奉納
南都晃耀会により 舞楽{振鉾}{陪臚}{納曽利}
奉納が催されました
大寺の まろき柱の 月かげを
 土に踏みつつ ものをこそ思へ {会津八一} 
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