『時により すぐれば 民の 嘆きなり 八大龍王
雨やめたまへ』 (源実朝) [金槐和歌集]
(日本列島) 秋雨前線に 見舞われ 九州北部に線状降水帯.大型で強い台風11号
東シナ海を北上大雨.暴風.高波に厳重な警戒が必要.西日本も高波.高潮
暴風に 要警戒ですね
『時により すぐれば民の 嘆きなり八大龍王 雨やめたまへ』 (源実朝)
[和歌や 蹴鞠に没頭した 文弱な貴公子]とも言われた~
NHK [鎌倉殿の13人] 第3代鎌倉殿実朝が自選.編集 [金槐和歌集]詞書には
[建暦元年七月.洪水天に漫り. 土民 愁歎せむ事を思ひて.ひとり本尊に向かひ奉り
いささか祈念を致して曰く] 洪水を鎮める 祈りの歌(呪歌)ですね
(正岡子規)の「八たび 歌よみに与ふる書」には 恐らくは世人の好まざる所と存候へ
どもこは生の好きで好きで たまらぬ歌に御座候. かくの如く勢強き恐ろしき
歌はまたと有之間敷~八大竜王を叱咤する処. 竜王もしょう伏致すべき勢
相現れ申候. 八大竜王と八字の漢語を用ゐたる処 雨や雨やめたまへと四三の調を
用ゐたる処.皆この勢を強めたる所にて候.初三句は極めて拙き句なれども
その一直線に言ひ下して拙き処.かへつてその真率 偽りなき示して
祈晴の歌等には 最も適当致しをり候
ただ真心より詠み出たらんがなかなかに善き歌とは相成り候ひしやらん
ここらは手のさき器用を弄し言葉のあやつりにのみ拘る歌よみどもの思
ひ至らぬ所に候 「八たび 歌よみに与ふる書」 (正岡子規)
(斎藤茂吉)も この実朝の歌を『短歌に於ける 四三調の結句』
源実朝は若くして 将軍になり 母 政子を始め 北条氏の力が 必要とされ
『吾妻鏡』には(当代は歌.鞠を以て業となし 武芸廃るるに似たり)と
頼朝以来の勇士である 長沼宗政の評があるが~数え年28歳で 頼家の遺児
つまり甥によって 悲劇の 死を遂げる短い生涯であったので
「文弱の貴公子」 「憂愁と孤独の人」または 「北条氏の傀儡」
「幕府政治に背を向け公家文化に耽溺し和歌や蹴鞠に没頭した文弱な将軍」
とも言われ 万葉調の和歌への評価や 孤独の詩人といった
イメージもありますね
洪水天に漫り 土民愁歎せむことを思ひて一人 本尊に向かひ奉り.いささか 祈念を
致して曰く 実朝は一人本尊に向かって.微力ながら祈念!
この一首を詠んだ 建暦元年7月当時の実朝の姿 その心を体現し積極的な姿勢は
決して [文弱]でも [憂愁]でも無く 最後まで (源実朝)はよき統治者だった
とも言えるでしょう
将軍として生き. 度重なる謀反.権力争い等を乗り越え. [武士で初の右大臣]に
のぼりつめた実朝は「俺は宋(中国)に行く!」と言い出し.皆に止められても
聞かず船を建造し海に浮かべ ⇒ [割れて.砕けて.裂けて.散る]
その無残さに自分を重ねたのかもしれません
海の神様には恵比寿様や弁天様.金比羅様! 日本各地に[八大龍王]に関しての
神社や祠があり 多くは 龍神が祀られている事でしょう!
『大海の 磯もとどろに よする波 割れて砕けて裂けて散るかも』(源実朝)
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